ドラムは「音程のない打楽器」です。だからこそ、いつ叩くか(タイミング) と どのくらいの長さ分待つか(音価) の2点が演奏のすべてを決めます。楽譜はその2点を視覚化したものです。最初は記号が多く見えますが、構造はシンプルです。一つずつ確認していきましょう。
音符の種類と音価
音符は「音を出す長さ」を表す記号です。基準となるのは全音符で、その半分・4分の1・8分の1…と分割していきます。
上の図の縦軸はタイミング(いつ叩くか)、横軸は音価(その音の長さ)を表しています。4/4拍子の1小節の中で、各音符がどのように収まるかを視覚的に確認してください。
基本の音符一覧
| 名称 | 4/4拍子1小節に入る数 | 全音符を1とした長さ |
|---|---|---|
| 全音符 | 1個 | 1 |
| 2分音符 | 2個 | 1/2 |
| 4分音符 | 4個 | 1/4 |
| 8分音符 | 8個 | 1/8 |
| 16分音符 | 16個 | 1/16 |
※ 画像素材が揃い次第、左列に各音符の図を追加します。
付点音符について
音符の右に点(付点)が付くと、元の長さの1.5倍になります。
- 付点4分音符 = 4分音符 + 8分音符(1拍+半拍)
- 付点8分音符 = 8分音符 + 16分音符
付点音符は後述するシャッフルやスウィングのリズムで頻繁に登場します。
休符:「叩かない」時間の読み方
音符に対応して、休符(叩かない時間)があります。音符と休符を合わせると、必ず1小節分の拍が埋まります。

上の図の下段は、音符と休符を組み合わせた例です。「音を出す位置」と「出さない位置」をセットで読む練習をしましょう。
主な休符の記号
| 名称 | 長さ |
|---|---|
| 全休符 | 全音符と同じ |
| 2分休符 | 2分音符と同じ |
| 4分休符 | 4分音符と同じ |
| 8分休符 | 8分音符と同じ |
| 16分休符 | 16分音符と同じ |
※ 画像素材が揃い次第、左列に各休符の図を追加します。
拍子記号の読み方
楽譜の冒頭にある分数のような数字が拍子記号です。
- 上の数字:1小節に何拍あるか
- 下の数字:1拍をどの音符で数えるか(4なら4分音符、8なら8分音符)
よく使われる拍子
| 拍子 | 意味 | 代表ジャンル |
|---|---|---|
| 4/4 | 4分音符が4拍 | ロック・ポップス・ファンク全般 |
| 3/4 | 4分音符が3拍 | ワルツ・バラード |
| 6/8 | 8分音符が6拍 | 6/8シャッフル・R&B |
| 12/8 | 8分音符が12拍 | スローロック・ブルース |
4/4拍子が最も一般的です。まずはこれを基準にリズムを覚えていきましょう。
ドラム譜における各楽器の配置

五線譜の構造:線と間
ドラム譜は五線譜(5本の横線)を使います。位置は下から数えます。
- 線(Line):第一線〜第五線(下から順に)
- 間(Space):線と線の間。第一間〜第四間(下から順に)
- 上加線スペース:第五線より上。上第一間・上第一線・上第二間…と続く
- 下加線スペース:第一線より下。下第一間・下第一線…と続く
声部による使い分け
日本の一般的なドラム譜では、声部(ステムの向き)で手と足を分けて表記します。
- 上声部(ステム上向き):手で演奏するパーツ(スネア・タム・シンバル類)
- 下声部(ステム下向き):足で演奏するパーツ(バスドラム・ペダルハイハット)
この2声部表記により、手足が同時に鳴る複雑なリズムでも読み解きやすくなります。
各楽器の配置(日本標準表記)
| 声部 | 楽器 | 位置 | 符頭 |
|---|---|---|---|
| 上声部 (ステム上向き) | ハイハット(手) | 上第一間 | × |
| ライドシンバル | 上第一線 | × | |
| ハイタム | 第四間 | ● | |
| ロータム | 第四線 | ● | |
| フロアタム | 第二間 | ● | |
| スネアドラム | 第三間 | ● | |
| 下声部 (ステム下向き) | バスドラム | 第一間 | ● |
| ペダルハイハット | 下第一間 | × |
出版社や教則本によって配置が異なる場合があります。初めて使う楽譜は冒頭の凡例(レジェンド)を確認しましょう。
まとめ:楽譜は「設計図」
楽譜は「どこに何をどれだけの長さ入れるか」という演奏の設計図です。完全に暗記する必要はなく、叩きながら照らし合わせるうちに自然と身につきます。
まずは4/4拍子で8分音符を均等に刻む練習から始め、楽譜を見ながら演奏する習慣をつけてみてください。
次はサブディビジョンへ進みましょう。音符をさらに細かく分割することで、タイム感が大きく向上します。
教材リンク
アレクサンダー・テクニーク+ドラム
楽譜の読み方を超えて、「どう身体を使って音を出すか」を根本から問い直す一冊。ドラムを始める段階から読んでおく価値があります。
