機材・環境

電子ドラムの防振台をAIと作り直したら振動が1/3になった話【マンション向け】

マンションで電子ドラムを練習するとき、一番気になるのが下の階への振動。今回AIに相談しながら防振台を一から作り直したところ、床への振動伝達が計算上約1/3に減少しました。材料の選び方から積層順まで解説します。

マンションで電子ドラムを練習するとき、一番気になるのが下の階への振動。今回AIに相談しながら防振台を一から作り直したところ、床への振動伝達が計算上約1/3に減少しました。材料の選び方から積層順まで解説します。

従来の防振対策から月日も経ち、ゴムの耐久性や経年劣化を考慮して、今の防振を見直すことにしました。今回はAIでの計算を活用して、家庭でできる防振対策として一段上を目指すのが目標です!

従来の構成

  • ジョイントマット
  • 球状の防振ゴムによる点支持
  • コンパネ
  • 静床ライト
  • ノイズイーター

点支持をすることで振動が直接触れないように配慮してきましたが、経年劣化によるめり込みとコンパネのたわみによる共鳴が気になっていました。

新・防振台の構成

今回作り直した防振台の構成は以下の通りです。下から順に積み上げていきます。

① 3mmゴムシート

最下層に敷くゴムシートです。床との密着を均一にすることで、コンパネが安定して防振層全体が正しく機能するようになります。薄くても密度が高く重さがあるため、ジョイントマットより防振への寄与が高いです。

3mmゴムシート

② コンパネ 12mm

ゴムシートの上に置く1枚目のコンパネです。表面が平滑なパネコートがおすすめです。

コンパネ 12mm

③ 凹凸防振ゴム

両面凹凸タイプ(厚さ約1cm)を30×30cmサイズで5枚使用します。コンパネとコンパネの間に配置することで振動の伝達経路を分断します。向きはランダムに置くことで特定方向への共振を防げます。キックペダルの直下に1枚必ず来るよう配置するのがポイントです。

凹凸防振ゴム

④ コンパネ 12mm

凹凸ゴムの上に置く2枚目のコンパネです。表面が平滑なパネコートを選ぶことで、上に敷く静床ライトとの接触が均一になります。コンパネを2重にすることで全体の質量が上がり、固有振動数が下がって振動が伝わりにくくなります。

⑤ 静床ライト(防音カーペット)

仕上げ層として吸音・制振効果のある静床ライトを敷きます。

静床ライト

コスパは?

静床ライトが全体の半分を占めます。コストを押さえたい方は他の防音カーペットでも良いかもしれません。 車をお持ちの方はホームセンターでも全て揃いますので、積み込むのが少々大変ですが頑張って足を運びましょう!

さらに追い込みたい方に

ドラム用防振台「ノイズイーター」がおすすめです。各電子ドラムメーカーから販売されています。

なぜこの構成が効くのか

質量を増やして固有振動数を下げる

防振の基本は固有振動数を演奏時の振動周波数から遠ざけることです。コンパネを2重にして質量を増やすことで固有振動数が下がり、振動が伝わりにくくなります。計算上は床への振動伝達が約1/3に減少します。

2段階で振動経路を分断する

ゴムシート(最下層)と凹凸防振ゴム(コンパネ間)の2箇所で振動の経路を分断しています。1箇所より2箇所で分断する方が効果が高く、異なる周波数帯をそれぞれ処理できます。

接触を均一にする

旧式では球状ゴムがジョイントマットにめり込んで接触が不均一になっていました。接触が不均一だと防振層が本来の効果を発揮できません。今回の構成では各層の接触が面全体で均一になるよう素材を選んでいます。

実際にスマホで振動を計測してみた

Phyphoxアプリの加速度スペクトルを使って、防振台の効果を実測しました。

計測方法

スマホを防振台の脇の床と防振台の上にそれぞれ置き、フロアタム・ロータムを叩いた際の振動スペクトルを比較しました。

結果

防振台脇(床)

防振台脇の振動スペクトル

防振台上

防振台上の振動スペクトル

防振台脇の床ではピーク周波数5.84Hz、振動強度は0.1〜0.3とほぼフラットで床への伝達が非常に少ない結果になりました。一方、防振台の上では20〜50Hzの高周波域に向かって振動が増大し、ピーク47.88Hzで強度約2.0という結果でした。

考察

防振台は低周波の床への伝達を効果的に遮断できています。台の上に高周波振動が残るのは構造上の特性で、これはラック脚のゴムキャップで吸収できます。低周波は硬く重い素材で遮断、高周波は柔らかい素材で吸収という役割分担がポイントです。

副産物:ペダルの演奏感が向上した

防振目的で作り直しましたが、想定外の副産物としてペダルの演奏感が向上しました。土台の剛性が上がったことで踏んだ力がダイレクトに伝わるようになり、防振対策が演奏性にも影響することを実感しました。

環境について

今回の構成はRC造・防音フローリング環境での話です。RC造は床が剛体として機能するため振動の増幅が少なく、この構成の効果が出やすい環境です。木造の場合は床自体が振動するケースもあるため、効果の出方が変わる可能性があります。

まとめ

防振のポイントは「硬く・重く・均一に」です。柔らかい素材を重ねるより、質量と剛性で固有振動数を下げる方がマンション環境では安定して効果が出ます。全てを含めるとそこそこ費用のかかる投資になりましたが、演奏環境と近隣への配慮の両方が改善できました。周りを気にせず電子ドラムを叩きたい方、ぜひご参考にしてください!